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SNS 上に出所不明の悪質なデマが飛び交い、世界最大の権力者たるアメリカ合衆国大統領が都合の悪いメディアの報道を〝フェイクニュース〟などと公然とこき下ろす昨今。
 これほどまでに世の中に嘘が蔓延し、真実というものが不確かになってしまった時代がかつてあっただろうか。
 ところがアメリカでは過激な言動で物議を醸すドナルド・トランプ大統領の誕生よりも10 年以上前に、政府が自国民と世界中を欺く巨大な嘘をついていた。「イラクのサダム・フセインは大量破壊兵器を保有している」。これが2003 年におけるイラク戦争の開戦理由のひとつだったが、のちに大量破壊兵器は見つからず戦争の大義が失われ、情報の捏造だと明らかになった。しかも当時、大手メディアは軒並みこのジョージ・W・ブッシュ政権下の嘘に迎合し、権力の暴走を押しとどめる機能を果たせなかった。ただし、たったひとつの新聞社を除いては……。イラク侵攻の軍事作戦名〝衝撃と畏怖<いふ>〟を題名に掲げた本作は、世に真実を伝えることに並々ならぬ執念を燃やした記者たちの知られざる実話の映画化である。
 本作が光をあてる中堅新聞社ナイト・リッダーの取材チームが置かれた立場は、まさに八方塞がり。傘下の新聞社からは記事の掲載を拒絶され、オフィスには匿名の脅迫メールが届き、身内からも裏切り者呼ばわりされる。そんな孤立無援の状況のもと、4人の記者は大手メディアが気に留めないような末端の政府職員へも地道な取材を実施。確かな証拠に裏打ちされた真実を探り当てていった彼らの不屈のジャーナリスト魂を、力強いタッチで描き出す。
 また、モデルになった記者たちが撮影現場でアドバイザーを務めた本作は、4人の苦難に満ちた闘いの軌跡を事実に基づいて映像化。深い苦悩を抱え、時に怒りを露わにしながらも、職場ではジョークを言い、喜びを分かち合う。妻や恋人などの数少ない理解者に支えられ、大切な人たちの明日を守るために、敢然と逆境に立ち向かっていくその姿は心を揺さぶってやまない。決して浮世離れした美談ではなく、固い信念とプライドを胸に秘めて仕事をまっとうしていく男たちを等身大の視点で描き、あらゆる観客の熱い共感を誘うエモーショナルなドラマに仕上がった。
 そして本作は、ハリウッドで華々しいキャリアを築き上げてきたロブ・ライナー監督の新たな挑戦でもある。『スタンド・バイ・ミー』『恋人たちの予感』『最高の人生の見つけ方』など幾多の大ヒット作で知られるハリウッドの名匠が、リンドン・B・ジョンソン大統領の伝記映画『LBJ ケネディの意志を継いだ男』を経て、本格的な社会派ドラマを完成させた。監督、製作のみならずワシントン支局長役を自ら演じ、2003 年のイラク戦争開戦時から構想していたという念願の企画を実現させた。記者たちのストーリーと並行して語られる、ある若き黒人兵士の悲痛なドラマにも、ライナー監督の深い思い入れがこめられている。
ライナー監督のもとに結集したキャストの豪華さも特筆ものだ。『スリー・ビルボード』の名演技でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされたウディ・ハレルソン、『X-MEN』シリーズやTV ドラマ「ウエストワールド」のジェームズ・マースデン、唯一無二の重厚な存在感を誇る名優トミー・リー・ジョーンズが、ナイト・リッダーの個性豊かな記者たちを熱 演。さらに美しさと聡明さを兼ね備えたスター女優ミラ・ジョヴォヴィッチ、ジェシカ・ビールが、記者たちのプライベートを描いたパートに登場し、極上のアンサンブル・ドラマに厚みを与えている。
2002年、ジョージ・W・ブッシュ大統領は「大量破壊兵器保持」を理由に、イラク侵攻に踏み切ろうとしていた。新聞社ナイト・リッダーのワシントン支局長ジョン・ウォルコット(ロブ・ライナー)は部下のジョナサン・ランデー(ウディ・ハレルソン)、ウォーレン・ストロベル(ジェームズ・マースデン)、そして元従軍記者でジャーナリストのジョー・ギャロウェイ(トミー・リー・ジョーンズ)に取材を指示、しかし破壊兵器の証拠は見つからず、やがて政府の捏造、情報操作である事を突き止めた。真実を伝えるために批判記事を世に送り出していく4人だが、NYタイムズ、ワシントン・ポストなどの大手新聞社は政府の方針を追認、ナイト・リッダーはかつてないほど愛国心が高まった世間の潮流の中で孤立していく。それでも記者たちは大儀なき戦争を止めようと、米兵、イラク市民、家族や恋人の命を危険にさらす政府の嘘を暴こうと奮闘する…
ハレルソンが人々の心をつかんだのは、長年続いたコメディ「チアーズ」(82~ 93) にアンサンブル・キャストとして出演した時だった。人当たりの良いバーテンダー、ウッディ・ボイド役を演じたハレルソンは、1989 年にエミー賞を受賞し、その後8 年間で4 つの賞にノミネートされた。その後、オリヴァー・ストーン監督の大傑作『ナチュラル・ボーン・キラーズ』(94)で、大量殺人鬼のミッキーを演じ絶賛された。ハレルソンが初めてアカデミー賞とゴールデングローブ賞の主演男優賞にノミネートされたのは、1996 年に公開されたミロス・フォアマン監督の『ラリー・フリント』だった。議論の的になった雑誌を創刊した男、ラリー・フリントを演じ、その演技が絶賛された。2009年の『メッセンジャー』では、イラク戦争で戦死した米軍兵士の訃報を遺族に伝える兵士役で、助演男優賞にノミネートされ、ベルリン国際映画祭をはじめ、数々の映画祭で賞を受賞した。またテレビドラマ「トゥルー・ディテクティブ」(14、15) シリーズでは、エミー賞の主演男優賞にノミネートされた。近年の出演作に、 近年の出演作に、『ハンガー・ゲーム』シリーズ(12〜15)、『グランド・イリュージョン 見破られたトリック』、『スリー・ビルボード』、『LBJ ケネディの意志を継いだ男』共に(16)、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』、『ヴェノム』共に(18)。最新作は、ブリー・ラーソン主演のヒューマンドラマ『ガラスの城の約束』、大ヒットゾンビ映画の続編『ZONMBIELAND 2(原題)』。
マースデンは1996 年にテレビドラマ「Second Noah( 原題)」で主役を演じ、初めて世間の注目を集めた。続いてドラマ「アリー・myラブ」(97 ~ 02)で演じたグレン・フォイ役でさらなる人気を博す。そして、映画『X-メン』シリーズ(00 ~ 14) のスコット(サイクプロス)役で一躍世界中に名を知られるようになる。2006 年には、『スーパーマン リターンズ』でリチャード・ホワイトを演じた。『ヘアスプレー』(07) では、ジョン・トラヴォルタ、クイーン・ラティファ、ミシェル・ファイファーなど、スター俳優たちと共演。ディズニー作品の『魔法にかけられて』(07) ではエドワード王子役を演じた。近年の出演作に『大統領の執事の涙』(13)、最新作はクエンティン・タランティーノ監督『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』、人気ゲーム「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」の実写『ソニック・ザ・ムービー』。
1970年、『ある愛の詩』でスクリーンデビュー。その後、テレビドラマ「One Life To Live( 原題)」に出演(71 ~ 75)。続いてテレビドラマ「チャーリーズ・エンジェル/ぶどう園乗っ取り殺人事件」(76) や、テレビ映画『激突39台!史上最大の自動車事故/ハイウェイ・パニック』(76)、『ハワード・ヒューズ物語』(77) などに出演。1982 年にはテレビ映画『死刑執行人』でエミー賞主演男優賞を受賞。テレビ業界と映画業界の両方で数々の作品に出演するうちに、力強く、激しく、それでいて思慮深い演技と、脇役も主役もこなせる俳優として評価されるようになっていく。『JFK』(91)、『沈黙の戦艦』(92) で高く評価され、『ハリソン・フォード 逃亡者』(93) でアカデミー賞助演男優賞を受賞。1994 年には、初監督作品のテレビ映画『ワイルド・メン』が放映された。エイリアンの監視を行う秘密組織MIB(メン・イン・ブラック)エージェントの活躍を描いたSFコメディ『メン・イン・ブラック』シリーズ(97~ 12) で演じたエージェントKで人気を博す。テレビ映画『ワイルド・メン』(94)では、主役だけでなく監督も務めた。近年の出演作に、『カンパニー・メン』10)、『リンカーン』、『31 年目の夫婦げんか』、『終戦のエンペラー』( すべて12)、『メカニック:ワールドミッション』(16)、『ベスト・バディ』(17)、最新作はブラッド・ピットと共演のSF映画『Ad Astra(原題)』。
12歳にモデルデビューし、化粧品メーカー・レブロンの広告「世界で最も忘れられない女性」に起用され、イタリアのファッション誌「レイ」の表紙を飾る。1991 年、『ブルーラグーン』で主役に抜擢されている。続いて1997 年の大ヒット作『フィフス・エレメント』でブルース・ウィリスと共演し、1999 年には『ジャンヌ・ダルク』で主演を務めた。2002 年、『バイオハザード』に出演し、アメリカだけでなく世界中で大成功を収めた。ポール・W・S・アンダーソンが監督、脚本を務め、ミラはゾンビと戦うヒロイン、アリス役として、その後もシリーズに参加。『バイオハザード II アポカリプス』(04)、『バイオハザードIII』(07)、『バイオハザード IV アフターライフ』(10)、『バイオハザードV:リトリビューション』(12)、『バイオハザード:ザ・ファイナル』(16) と続いており、シリーズは現在7 作目の製作が決定している。近年の出演作に、『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』、『フェイシズ』 ( 共に11)、『サバイバー』(15)、『フューチャーワールド』(18)。
9歳になってすぐに、舞台「アニー」、「サウンド・オブ・ミュージック」、「美女と野獣」のステージに立つ。14 歳の時に「7th Heaven( 原題)」(96)でテレビドラマデビュー。2003 年には『悪魔のいけにえ』をリメイクした、『テキサス・チェーンソー』で主役に抜擢され、レザーフェイスから逃げ惑うエリン役を熱演した。その後、『ブレイド3』(04) で、ウェズリー・スナイプス、ライアン・レイノルズ、クリス・クリストファーソンと共演。近年の出演作に、『トータル・リコール』(12)、『スマイル・アゲイン』(13)、『ティファニー ニューヨーク五番街の秘密』(16)、第70 回エミー賞で主演女優賞にノミネートされた「The Sinner - 記憶を埋める女-」(17)。
ライナーは約30 年前から現在まで、多彩なスタイルやジャンルの映画作品を次々と生みだし、その作品の数々は世界中の映画ファンに愛されてきた。架空のメタルバンドを追いかけたモキュメンタリ―『スパイナル・タップ』(84)、ロマンティックコメディ『恋人たちの予感』(89)、ミステリードラマ『ア・フュー・グッドメン』(92) では登場人物の心情や成長を巧みに描いた。また、スティーヴン・キング原作の少年たちの青春を描いたヒューマンドラマ『スタンド・バイ・ミー』(86)、サスペンス『ミザリー』(90) の監督を手掛け、『スタンド・バイ・ミー』では全米監督協会賞の3 部門、ゴールデングローブ賞、インディペンデント・スピリット賞にノミネートされた。以降、様々な作品で名誉ある賞にノミネートされる。注目を浴びた監督作品に、『プリンセス・ブライド・ストーリー』(87)、『ノース/ちいさな旅人』(94)、『アメリカン・プレジデント』(95)、『ストーリー・オブ・ラブ』(99)、『あなたにも書ける恋愛小説』(03)、『最高の人生の見つけ方』(07)などがある。近年の監督作に、リンドン・B・ジョンソン大統領の伝記映画『LBJ ケネディの意志を継いだ男』(16)。また監督や製作を手がけるだけでなく、俳優としても活躍している。俳優として参加した作品には、『めぐり逢えたら』(93)、『パーフェクト・カップル』(98)、『エドtv』(99)、マーティン・スコセッシ監督の『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(13)、『ブロードウェイと銃弾』(94)、『ハリウッド・ミューズ』(99)などがある。
私立探偵と同じように 新聞記者はタフでなければならない
真っ直ぐに 真っ直ぐに斬り込んでいく そんな記者が欲しい
久米宏
ジャーナリズムはいかにあるべきか、その「原点」を教えてれる。
孤立を恐れず「事実」を1つ1つ確かめていく先にしか「真実」はないということであり、 部下の情熱を確固たる信念で支える上司の存在が必須であるということだ。
橋本五郎
読売新聞特別編集委員
アメリカがイラク戦争に突き進む中、その戦争の大義はウソだと、ファクトに基づき報じ続けたアメリカの記者たちがいた。
とても少数だったが。でもその少数者が、ウソをつく政府に対し私たちが何をすべきかを教えてくれた。 
金平茂紀
TVキャスター
疑う知性が必要なのは、記者たちに限ったことではない、という警鐘のような映画。ロブ・ライナーはほんとうに誠実な才人だと思う。
江國香織
小説家
「911テロの黒幕」「核兵器を持っている」そう言ってブッシュ政権はイラクに攻め込んだが、それが嘘っぱちであることは当時既に新聞に書かれていたのに。
アメリカでも日本でも報道よりも政権を信じたがる人々が増えている今こそ観るべき映画。
町山智浩
映画評論家
ロブ・ライナー監督が長年熱望したプロジェクト
 軽妙なラブ・ストーリーや大人向けのウェルメイドなドラマを数多く手がけてきたロブ・ライナー監督が、イラク戦争とメディアを題材にした社会派映画を撮った。そう聞けば誰もが意外に思うかもしれないが、プロデューサーのマシュー・ジョージは「この映画のアイデアは、ロブと彼の妻であり製作者でもあるミシェル・ライナーからのものだった」と証言する。「ロブはイラク侵攻が始まった2003 年の時から、この戦争とアメリカの関与についての映画を撮りたいと考えていたんだ。彼はその思いを実現するために、長年にわたってイラク戦争に関連する複数の企画を映画化しようと試みていた。やがてロブとミシェルは制作会社アカシア・フィルム・エンターテイメントが提案した4人の記者の物語を知って、これこそ自分たちが探し求めていた題材だと感じたんだ」
 ライナー監督が当時を振り返る。「アメリカがイラクに侵攻したことやこの戦争のきっかけについて考えると、いつもモヤモヤした気分になった。それまでの人生において、間違った情報や嘘がもとになって戦争が始まるなんて思ってもいなかったから。そして、ある青年がイラクに派遣され、最初の1 週間で負傷したドキュメンタリーを観た。それを観たときに、イラク戦争に関する真実を作品にまとめられたらと思ったんだ」
 こうしたライナーの動機の背景には、「もし私たち国民が真実を知ることが許されなければ、民主主義は存続しない」という危機感がある。「私にとってこの映画はそのようなメッセージを伝えるための作品だ。また、真実を知るという自由や、政府や権力の影響を受けない報道をどのように手に入れていくかというメッセージもこめている。そういう自由がなければ、民主主義に希望は持てないのだから」
撮影現場に立ち会って助言に応じた記者たち
 劇中で描かれたジャーナリストたちは、今もワシントンD. C. で現役記者として活躍しており、本作への協力を惜しまなかった。製作のマシュー・ジョージが語る。「彼らは脚本の段階から撮影中までの制作過程で、常に協力してくれた。ほとんどの間、撮影セットに立ち会い、ロブ・ライナー監督や俳優たちが意見を求めようとするときには、いつでもアドバイスできるように準備してくれていたんだ」。ジョージが続ける。「ジョナサン・ランデー、ウォーレン・ストロベル、ジョン・ウォルコット、そしてジョー・ギャロウェイの4人は、全員が撮影セットに立ち会ってくれた。俳優たちに助言し、それぞれの役を演じた俳優と親しくなった。ウディ・ハレルソン、ジェームズ・マースデン、ロブ・ライナー、そしてトミー・リー・ジョーンズとね」
 マーズデンが演じた記者ウォーレン・ストロベルは、撮影現場での俳優たちとの共同作業を次のように振り返る。「現場で俳優たちに協力すると、毎回素晴らしい演技に反映されていたことがとても印象に残っているよ。ウディ・ハレルソンが相談に来たり、ウディとジェームズが質問してきたり、またロブが質問を投げかけてきたりと、さまざまなケースがあったが、いつも我々の提案を受け入れ、それをセリフやジェスチャーで表してくれた。おかげで忘れられない経験になったよ」
映画のリアリティを高める膨大な映像フッテージ
 本作には、イラク戦争を推進したブッシュ政権の政治家らの映像や、当時のニュース番組などのフッテージがふんだんに盛り込まれている。しかし映像の使用にあたっては、すべてがスムースに進んだわけではなかった。製作のマシュー・ジョージが舞台裏を明かす。「いくつかの場面で拒否反応があった。本作の製作当時の2016 年はあの9.11から15年も経過していたというのに、特定のメディアは我々に映像を売ってくれなかったんだ。しかしアメリカには〝フェアユース〟という著作権に関する法律があり、なおかつ本作は実話に基づいた映画だったので、法律によってそれらの反対に打ち勝つことができた」
 ジョージがなおも説明する。「我々は本作のストーリーに関連する多くの実在の人物に会った。それに膨大な映像フッテージの編集は、制作作業の中で最も難しいことのひとつだった。ポスト・プロダクションに携わったスタッフの大半が、一日中これらの映像の調達や使用許諾の確認、ノイズ除去の作業に追われていたよ」
監督のみならず演技にも情熱を注いだロブ・ライナー
 キャストには有名なスター俳優がずらりと名を連ねているが、まず目を引くのは監督のロブ・ライナー自身がナイト・リッダーの支局長ジョン・ウォルコットを演じていることだろう。製作のマシュー・ジョージがその経緯を説明する。「この役はもともとアレック・ボールドウィンが演じる予定だったが、撮影前に降板することになってロブが代わりに演じることになった。ロブは監督と俳優の両方を務めることに深い情熱を注いでいたし、最高の演技を見せてくれた」
 続いてライナー監督が語る。「初めは出演するつもりはなかったが、周りを見渡して自分しかいないと思ったのでやることになった。悪くない、と思ってもらえるといいのだが」。そんなライナーの演技を現場で見つめていたジョン・ウォルコット本人は、次のように証言する。「俳優と監督の両方を務めたロブはとても大変そうだった。撮影が始まる間際に出演することが決まったんだからね。そんな状況にもかかわらず、本当に丁寧に私の役を演じてくれた。ロブの演技ではなく、ジョン・ウォルコットを理解しようとしてくれたんだ。劇中には私にとってとても大切なスピーチのシーンがあるが、私はそのスピーチを当時とまったく同じようにロブに話してみせた。当時は用意していたわけではなくて、自然に出た言葉なんだけどね。そして撮影が始まり、ロブがそのシーンを演じると、抑揚や強調していた点をしっかりと反映させて、14年くらい前に私が言った通りにスピーチを再現してくれたんだ」
記者たちと交流を持ち、テーマに共鳴した俳優たち
 主要キャストはモデルになった記者たちと密接なコラボレーションを行った。ウディ・ハレルソンが語る。「イラク戦争当時、報道されていたことはどれもでっち上げだったことを知って、どうして真実が国民に明かされなかったのか理解できなかった。もちろん、ナイト・リッダーの記者たちが何をしていたのかも知らなかった。なぜなら、この物語は印刷物として世に出ていなかったんだ」。そう言うハレルソンはジョナサン・ランデーを演じるにあたって「物真似をしようとは思わなかった。ジョナサンの力強く野心あふれるジャーナリストとしての本質を理解したかった」とも語っている。
 一方、ジェームズ・マースデンはウォーレン・ストロベルとのやりとりを打ち明ける。「ロサンゼルスに来てくれたウォーレンと会ったとき、i-Phone を取り出して会話を録音したんだ。記者がやるみたいにね。そして〝よし、今からちょっとしたゲームをしよう。ぼくがインタビューして、ちゃんといい質問ができるか試したい〟と言ったんだ」。ストロベル本人も当時のことを振り返る。「ジェームズが撮影が始まる前に会いたいとメールをくれて、彼が心からこの作品のストーリーや僕のことを理解しようとしていることがわかった。熱心に取り組んでくれて感謝しているよ。ジェームズの熱意はスクリーンを通して観客に伝わると思う」
製作のマシュー・ジョージいわく、トミー・リー・ジョーンズとミラ・ジョヴォヴィッチからは早々に出演の返事が来たという。ジョーンズが語る。「〝サダム・フセインが大量破壊兵器を持っている〟とアメリカ政府が世界を納得させようとしていた時期に、ナイト・リッダーは何をしていたのか。本作の脚本を読んで、より詳しく知ることができた」。また、ロシア人の母親とモンテネグロ人の父親の間に生まれたジョヴォヴィッチは、常に政治の問題と密接な家庭環境で育った。「脚本を読んだとき、ヴラトカと私には多くの共通点があると思ったわ。自分の家族が大変な時代を生き抜いてきたことを覚えているし、両親にとっては普通の生活に慣れることがとても大変だったと思う。だからヴラトカの生い立ちや境遇を理解することができたの」
忠実に再現されたナイト・リッダーのオフィス
 撮影はロブ・ライナー監督らしい早撮りで進められ、30日間が費やされた。製作のマシュー・ジョージが言うには、スタッフ&キャストは「真実を伝えること、そして正確に撮ること」にこだわったという。撮影を実施したのは〝THE TIMES PICAYUNE BULIDING〟という実在の新聞社がある建物だった。ジョージが説明する。「偶然にもあの建物は新聞を保管しておくためのビ ルだった。撮影用に大きな広い空間を探していた我々は、ビルの1階を占拠して録音エリアを作り、ワシントンD.C. に存在するナイト・リッダーのオフィスを大がかりなセットで再現した」
 さらにジョージが続ける。「4人の記者はスタッフ&キャストが本当に助けを必要とする部分で貢献してくれた。おかげで、可能な限りの再現をすることができた。編集室の様子や取り上げる記事。彼らがどのように真実を追求し、どのように記事を書き上げるのか。そして情報提供者とのやりとりなど、あらゆる部分が実際の出来事に忠実になっている」
モデルになった記者たちが語る本作の意義
 製作のマシュー・ジョージいわく、「4人の記者とその家族たちは、自分たちの話がついに世に出て、多くの人々に伝えられることに感動していた。彼らは映画に興奮していたよ」。取材 チームを率いたナイト・リッダーの支局長ジョン・ウォルコットが語る。「我々4人は第二次世界大戦の映画でよく出てくる少人数の部隊みたいなんだ。テキサス出身で訛りがきつく、ゆっくり としたしゃべり方のジョー・ギャロウェイがいて、熱い性格のランデーがいる。そしてランデーとは対照的に静かなストロベルがいて、小隊のリーダーである私がいるんだ」
 ギャロウェイが本作で描かれた当時のことを振り返る。「我々はアメリカ国民に向けて、必死に伝えようとした。この国はまったく必要のない、物凄く費用のかかる戦争を始めようとしてい ると。しかし、信じようとする人はいなかった。政府が嘘をついている証拠をつかんでいて、それを記事として発表しているのに、聞く耳を持ってもらえないことは本当にもどかしかった」
 ウォーレン・ストロベルは本作が作られた意義について、次のように語る。「この作品は本当のジャーナリズムについて、新聞が本来の機能を果たさなくなったときに社会が何を失うのかということについて、観た人に強く語りかけている。事実を伝えることは、とても大切だ。というのも今、メディアの報道に対する信頼はこれまでにないくらい低いからね。僕のようにこの業界で30~35年やってきた人間にとっては、すごく残念な状況だ」
 続いてジョン・ウォルコットが語る。「政府が何か言ったら、記者として必ずこう問え。〝それは本当か〟と。それは今でもまだ十分ではないと思っている。この作品は多くの人に観てもらいたい。観た後に、こういうジャーナリズムこそ今のアメリカに必要だと感じてもらえると嬉しいね」
そしてロブ・ライナー監督が締めくくる。「民主主義は皆に平等に与えられるものだ。宗教や人種、性別、性的指向を理由に、あらゆる人々を締め出そうとするが、それは民主主義ではない。 すべての国民が権利を与えられて初めて成立するものなんだ」
エリア 劇場名 お問い合わせ 前売 公開時期
東京 TOHOシネマズシャンテ 050-6868-5001 上映終了
東京 アップリンク吉祥寺 0422-66-5041   5/3
東京 アップリンク渋谷 03-6821-6821   5/4
エリア 劇場名 お問い合わせ 前売 公開時期
北海道 シアターキノ 011-231-9355   4/27
北海道 シネマトーラス 0144-37-8182   5/18
北海道 シネマアイリス 0138-31-6761   6/15
エリア 劇場名 お問い合わせ 前売 公開時期
青森 フォーラム八戸 0178-38-0035   上映終了
岩手 フォーラム盛岡 019-622-4770   上映終了
宮城 フォーラム仙台 022-728-7866   上映終了
山形 フォーラム山形 023-647-0647   上映終了
山形 フォーラム東根 0237-43-8060   5/24
福島 フォーラム福島 024-533-1515   上映終了
福島 まちポレいわき 0246-22-3394   5/10
エリア 劇場名 お問い合わせ 前売 公開時期
神奈川 TOHOシネマズららぽーと横浜 050-6868-5046 上映終了
神奈川 TOHOシネマズ上大岡 050-6868-5053 上映終了
神奈川 小田原コロナシネマワールド 0465-45-5688   上映終了
神奈川 あつぎのえいがかんkiki 046-240-0600   5/25
神奈川 横浜ジャック&ベティ 045-243-9800 6/1
千葉 TOHOシネマズ八千代緑ヶ丘 050-6868-5040 上映終了
千葉 TOHOシネマズ流山おおたかの森 050-6868-5045 上映終了
千葉 キネマ旬報シアター 04-7141-7238   上映終了
埼玉 川越スカラ座 049-223-0733   7/13
群馬 シネマテークたかさき 027-325-1744   6/8
茨城 TOHOシネマズひたちなか 050-6868-5036 上映終了
栃木 TOHOシネマズ宇都宮 050-6868-5028 上映終了
栃木 小山シネマロブレ 0285-21-3222   6/1
新潟 シネ・ウインド 025-243-5530   6/8
新潟 J-MAXシアター上越 025-524-1232   5/24
長野 長野千石劇場 026-226-7665   上映終了
長野 上田映劇 0268-22-0269   5/19
静岡 静岡東宝会館 054-252-3887   上映終了
静岡 シネマe-ra 053-489-5539   6/1
静岡 シネプラザサントムーン 055-983-1800   上映終了
エリア 劇場名 お問い合わせ 前売 公開時期
愛知 TOHOシネマズ名古屋ベイシティ 050-6868-5005 上映終了
愛知 伏見ミリオン座 052-212-2437 上映終了
愛知 TOHOシネマズ木曽川 050-6868-5027   上映終了
愛知 半田コロナシネマワールド 0569-22-2667   上映終了
岐阜 TOHOシネマズモレラ岐阜 050-6868-5041   上映終了
岐阜 大垣コロナシネマワールド 0584-73-0567   上映終了
三重 伊勢進富座 0596-28-2875   6/1
石川 ユナイテッド・シネマ金沢 0570-783-071   上映終了
福井 福井メトロ劇場 0776-22-1772   6/1
富山 "JMAX THEATER とやま 076-461-4461   上映終了
エリア 劇場名 お問い合わせ 前売 公開時期
大阪 大阪ステーションシティシネマ 06-6346-3215 上映終了
大阪 布施ラインシネマ 06-6782-2628 上映終了
大阪 シネマート心斎橋 06-6282-0815   上映終了
兵庫 シネ・リーブル神戸 078-334-2126 上映終了
兵庫 シネ・ピピア 0797-87-2261   6/8
兵庫 塚口サンサン劇場 06-6429-3581   5/17
京都 京都シネマ 075-353-4723   上映終了
奈良 ユナイテッド・シネマ橿原 0570-000-206   上映終了
滋賀 大津アレックスシネマ 077-527-9616   上映終了
エリア 劇場名 お問い合わせ 前売 公開時期
岡山 シネマ・クレール 086-231-0019   上映終了
広島 サロンシネマ 082-962-7772   5/10
広島 シネマ尾道 0848-24-8222   6/15
香川 ソレイユ 087-861-3366   上映終了
徳島 ufotable CINEMA 088-678-9113   5/31
愛媛 シネマサンシャイン大街道 089-986-6633   上映終了
エリア 劇場名 お問い合わせ 前売 公開時期
福岡 KBCシネマ 092-751-4268 上映終了
福岡 TOHOシネマズ福津 050-6868-5056 上映終了
佐賀 シアター・シエマ 0952-27-5116   上映終了
長崎 長崎セントラル劇場 095-823-0900   上映終了
大分 TOHOシネマズ大分わさだ 050-6868-5008 上映終了
熊本 TOHOシネマズはません 050-6868-5039 上映終了
鹿児島 TOHOシネマズ与次郎 050-6868-5044 上映終了
宮崎 宮崎キネマ館 0985-28-1162   上映終了
沖縄 桜坂劇場 098-860-9555   6/22